○大出小委員 民主党の大出彰でございます。
先ほども質問をいたしまして、その続きのようなことになりますが、よろしくお願いいたします。
二重国籍ということを、実は請願の紹介人になってくれということでやっているわけなんですが、どういう不都合があるかというと、日本に、二重国籍でなくて、国籍離れて外人として来るわけですね。そうすると、例えば住宅購入のためにお金を借りようとすると、外国籍ではだめですと言われたりするんですね。この方は大学教員だったものですから、教えているわけなんですが、教員の任期も、日本国籍がないものですから、三年ごとに更新をしなきゃならないというような不便があって、それからもう一回入ってこようとすると、再入国許可書が必要になってくるということがあるんですね。
この方たちは、二重国籍にした方がいろいろなメリットが多いのではないかということを言っていまして、特に、これから少子化になってくるわけですね。データでいくと、二〇〇六年に一億二千七百七十四万人をピークにして一挙に減ってくるというわけですね。二一〇〇年は六千万人になってしまうと言われていますね。
そうすると、当然、外国人がいっぱい入ってこられるわけですね。外国人労働者というのをどこかで決断をして、先ほど先生も似たようなお考えだと思いますが、入れなきゃいけないことが起こるんだと思うんですね。そういうときに、自分の国の国籍を、もし日本が好きであれば日本の国籍も持てるし、自分の国も持てるしという方がいいのではないか。
それで、アイルランドの例を実は出してありまして、アイルランドは昔から二重国籍をずっと認めてきた国なんですね。最近になって、海外に移っていた人たちが自国へ帰ってきたわけなんです。そうしたところ、マンパワーがアップしまして、経済的に好況になった、そういうことがあります。
日本は、日系人がいっぱい出ているわけですね。世界に散らばっていまして、日本にとっては宝物がいっぱいいるわけだ。ですから、二重国籍ができるならば、すぐ戻ってこられる、便利なわけですからね。そういうことも言われているんです。
ところが、現実には二重国籍にならないような方策を、政府は防止策みたいのをとっていまして、この理由は何かというと、古い考え方と言ったら怒られるかもしれませんが、国籍というのは国家に対する忠誠のあかしなんだとさっき先生もおっしゃっていますけれども、あるいは運命共同体なんだというんですが、今、国際結婚がはやって、アメリカ人と日本人の子供さんは、宇多田ヒカルさんみたいな方もいるわけですから、両方行ったり来たりできる方が便利ではないかと思いますし、グローバルな物の考え方が聞けるのではないかと思いまして、どうかそんな意味でも皆さんに、二重国籍でいいのではないか。
外国の方はどうなっているかというと、ヨーロッパでは、九七年にヨーロッパ国籍条約というのができまして、むしろ二重国籍を許容するようになっていまして、二〇〇〇年の三月に発効されております。ですから、日本もそういう国になるような時代にもう来ているのではないかなと思っています。
ただ、二重国籍については、兵役の義務だとかあるいは外交保護権とかの問題点があるんですが、兵役については、例えば韓国と日本なんかの場合ですと、日本の国籍を持っていたりすると、韓国では兵役を免除するとかそういうことができていますし、日本はむしろ、平和憲法もございますので、戦争にならないようにすることが、予防アクションが一番重要なんだと思います。
こうしますと、コリアンの問題なんかも、自国の国籍も取れるし日本の国籍も取れるといったら、すんなりいくのではないか。どっちかにしろというから踏み切れない面もありまして、参政権を超えるのではないかと思っていますので、そんな意味で、ひとつ二重国籍を、御協力をお願いしたいと思います。
以上でございます。